皮膚の基礎知識と老化やターンオーバーについて

皮膚の基礎知識

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皮膚の基礎知識と老化やターンオーバーについて

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皮膚は①表皮 ②真皮 ③皮下組織の3つの層に分かれています。

○ 表皮

表皮は表面から、ア)角質層、イ)顆粒層、ウ)有棘層、エ)基底層に分けられます。

ア)角質層
きわめて薄い層が何層にも重なった層です。通常は20%の水分量を持っています。 また、角質層の上を皮脂と呼ばれる薄い脂膜が被っており弱酸性を保ち異物やウイルスなどの微生物侵入を防ぎ、角質層からの水分蒸発を防ぎます。
イ)顆粒層
細胞内にケラトヒアリン顆粒が多く含まれており、紫外線を反射させる役割をしています。
ウ)有棘層
表皮の中では最も厚い層で細胞の間をリンパ液が流れ栄養を補給すせる役割をしています。
エ)基底層
メラノサイト(メラニン生成細胞)があり、 紫外線が当たるとメラニン色素が でき皮膚の色が黒くなります。 真皮からの栄養補給を受けここで皮膚が作られ ています。

○ 真皮

皮膚の大半を占めているのがこの真皮です。真皮は繊維性結合組織からなって おり、 そのなかに膠源繊維と弾性繊維があり、皮膚の弾力性· ハリ・艶に重要 な関わりを持っています。

真皮には血管・リンパ管・皮脂腺・汗腺・神経・毛根• 立毛筋などが存在します。 また、繊維状たんぱくであるコラーゲンやエラスチンが分布しているため、水 分保持に役立っています。 そのなかでもヒアルロン酸は、多量の水と結合し真皮の中に多く含まれており 潤いを与えるために働いています。

○ 皮下組織

皮下組織は結合組織とその間を埋める脂肪細胞で形成されています。この脂肪細胞のことを皮下脂肪といい男性よりも女性のほうが多いといわれています。皮下脂肪は、クッション的な役割を果たし、エネルギーを蓄えからだの要求に応じて栄養を補給します。

○ 天然保湿因子(NMF)

角質層に存在する肌が本来持っている天然の保湿成分は主にアミノ酸や尿素などで構成されています。これらが角質細胞全体を潤わせて、しっとりした肌にしています。

○ ラメラ構造の角質細胞間脂質

角質細胞が120層も積み重なり、その間を、セラミドを主体としたコレステロール、脂肪酸などの脂質分子と水分子が層状に並んだ多重層構造(ラメラ構造) で保水しています。

皮膚の老化やターンオーバーについて

○ 加齢による毛細血管や女性ホルモン減退による皮膚の老化

加齢により毛細血管や女性ホルモンが減退すると、皮膚への酸素、水分、栄養(コラーゲン等)の補給力が低下します。その結果皮膚の細胞活動が低下し、

  • ①皮膚のターンオーバー(新陳代謝)機能低下、
  • ②角質層の水分保持能力低下、
  • ③皮膚の皮膚の菲薄化が起こります。

○ 皮膚のターンオーバー (新陳代謝)機能低下による老化

新陳代謝により表皮は基底層→有棘層→顆粒層→角質層の順番に入れ替わり、 最後に古い角質層が剥げ落ちます。約28 日周期で入れ替わりますが、老化や 皮膚の保湿力低下により28 日より長くなり、古い死んだ細胞がいつまでも皮 膚表面に残り、角質層が厚くなりどんどん老化が進みます。

○ 乾燥による皮膚の老化

角質層と角質細胞間脂質の2 つの場所の水分が乾燥により奪われると、細胞は しだいにしぼんでいき、ケラチン繊維が凝集した状態になります。すると角質 の弾力が失われるうえ、古い角質が残り、厚くガサガサになって細かい亀裂が できます。これが小ジワや目の周りのちりめんジワになります。

○ 皮脂(天然クリ ーム)減少による皮膚の老化

私たちの汗などの水分と皮脂が、アミノ酸などで乳化され弱酸性の皮脂膜を作り、皮膚が乾燥しないように肌を覆ってフタをしています。これが「天然のクリーム」です。

女性は20 歳を過ぎると女性ホルモンの影響で皮膚の皮脂腺の分泌量が大幅に 減少しはじめ、この天然のクリームが作られなくなり皮膚が乾燥しやすくなります。

また、繊維芽細胞は絶えずコラーゲンやエラスチンを補給して皮膚にはりや弾力をもたらしていますが、皮膚が乾燥すると線維芽細胞の活動が鈍くなります。

繊維芽細胞の活動が鈍くなるとエラスチンやコラーゲンの生産が減少しますので皮膚の老化の原因となり、たるみやシワが助長されます。

○ 皮膚の菲薄化による老化

更年期を迎えると女性ホルモンの分泌が減って、コラーゲンなどの分泌量が減少します。真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの量が減少すると、表皮が薄くなり、ハリがなくなり、たるんできます。

○(光)紫外線による皮膚の老化

肌に悪影響を及ぼす紫外線には、 ① UV-A(320 ~ 400 ナノメートル長波紫外線)と ② UV-B(280 ~ 320 ナノメートル短波紫外線)があり、その作用には違いがあります。


① UV-A は表皮にあるメラニン細胞を活性化して日焼けを起こすものです。UV-B と比べて急激な作用はありません。しかし紫外線の中でUV-A は波長が長いため雲や窓ガラスも通り抜けるので、晴れた日にしか心配がいらないUV-B よりも20 ~ 30 倍の量が私たちに注がれています。 さらにUV-A は真皮にまで到達し、肌のはりを保っているコラーゲンとエラス チンという2 つの繊維を壊す酵素を増やして、コラーゲン繊維は小さく切断さ れ、エラスチンは変性されてしまいます。 このため皮膚は弾力を失いたるみ、ひだ、シワができます。また皮膚の細胞の 遺伝子を傷つけるほか、皮膚の免疫力も低下させます。


② UV-B は肌の表皮にあるメラニン細胞を活性化させて多量のメラニンを生成 させる作用があり、急激な日焼けを起こさせるものです。 エネルギーが強く、表皮細胞の遺伝子に傷をつけるのでシミや皮膚ガンの原因 になります。 波長が短いため肌の真皮にまで直接は届きませんが真皮にある肌のハリを保っ ているコラーゲン繊維を壊すコラゲナーゼという酵素の働きを高めて、間接的 にシワの原因になります。

○ 細胞の酸化による皮膚の老化

金属や食べ物・油など、物質は長い間空気にさらされると酸化しダメージを受けます。これと同じように私たちの細胞も酸化し、ダメージを受けています。ではどのようにして酸化は進むのでしょうか?

実は、わたしたちの体内に取り込まれた酸素の一部が変化してできた「活性酸素」が原因。活性酸素は脂質と結合して細胞を酸化させます。皮膚が酸化すると細胞にダメージを与え、真皮のコラーゲンなどを硬くして皮膚の弾力を失わせ、老化を進めていくのです。

そしてさらに活性酸素を発生しやすくする環境が、現代の私たちの周りにはたくさんあるのも事実ですが、主な原因は毎日の生活習慣ともいえます。

紫外線に当たること、ストレス、喫煙や大気汚染の環境、また脂質の多い食事や、添加物の多い食生活も活性酸素を発生しやすくする原因となるのです。

以上のことから、皮膚の老化は以下の3 つが原因であるといえます。

  • 1.加齢による毛細血管や女性ホルモン減退による皮膚の老化
  • 2.紫外線による皮膚の老化
  • 3.細胞の酸化による皮膚の老化



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